このページでは、「FIREとは、どのようなものですか」や「FIREと早期リタイアの違いについて教えて下さい」といった質問に回答します。
FIREとは
FIREとは、「Financial Independence, Retire Early」の略です。
正式な日本語訳はなく、日本においても「FIRE」と呼ばれています。
強いて日本語に直訳すると、「経済的な自立で早期リタイア」となります。もう少し意訳すると、「勤務先に収入を依存しない状態を築く事によって、早期リタイアを実現させる事」となります。
読み方(発音)は、「ファイアー(または、ファイア)」となります。
1990年から2010年頃にアメリカで出版された数冊の書籍で、「勤務先からの収入に依存しない生き方(経済的な自立)」や「貯蓄によって退職時期を早める考え方」などが紹介され、それがFIREのブームに繋がったと考えられています。
FIREを目指す理由
FIREを目指す理由は、人によって様々です。単に、「長く働きたくない」という理由でFIREに取り組む人もいますし、「仕事以外に取り組みたい事がある」といった理由でFIREに取り組む人もいます。
もっとも、理由に関わらず、会社員や公務員がFIREを目指す際には、「早い時期に勤務先を辞める」という事が当面の目標となります。そして、その為に、「勤務先からの収入に依存しない状態」を目指す事になります。
自営業の方がFIREを目指される場合も、基本的な考え方は同じです。ただし、自営業には、通常、定年がなく、また、適用される社会保障制度に差があります。この為、細かい点では、会社員や公務員とは様々な差が生まれる事になります。
FIREの種類
FIREには、通常のフルFIRE(完全なリタイア)とサイドFIRE(セミリタイア)の2種類があります。
フルFIREは、勤務先からの収入を完全にゼロにした状態でのリタイアです。
これに対し、サイドFIREは、リタイアはするものの、ある程度の労働は続けるタイプのリタイアです。例えば、「パートタイムでの仕事は続ける」といったリタイアがサイドFIREです。
勿論、サイドFIREの方が、フルFIREよりも実現させるハードルは低くなります。
一般的なFIREについての理解
一般的には、FIREは以下のようなものであると認識されています。
・収入増や支出減により、貯蓄に励む。
・リタイアまでに、リタイア後の年間生活費の約25年分を貯蓄する。
・リタイア後は、毎年、貯蓄の4%(上限)を取り崩して生活する。
※このような考え方は「4%ルール」と呼ばれる事もあります。また、貯蓄する具体的な目標金額として「1億円」という金額が提示される事もあります。
メディアなどでも紹介されている為、このようなFIREについての認識は、ある程度、広まっています。ただし、このような考え方は、本来、全ての人にお勧め出来るものではありません。
FIREの目指し方
前述の通り、多くのFIREを扱ったメディアでは、FIREを目指す方法として、「リタイアまでに、リタイア後の年間生活費の25年分を貯蓄する」という方法が紹介されています。そして、この方法は、ある程度、FIREを目指す人の間で認知されています。
しかし、このような準備さえ行えば、問題のないリタイアが出来るとは限りません。逆に、このような準備を行わなくても、早期にリタイアする事が可能であるケースも多くあります。
ですから、上記のような考え方は、「一般受けしやすいように、メディアが紹介しているものである」という理解をして頂く事をお勧めします。
FIREを実現させる為には、「引退後に生活費の面で困らない」という状態を実現させる必要がありますが、この状態は貯蓄以外の方法で実現させる事も可能です。
FIREを実現させる為の最適な方法は、本来、その人によって様々なのです。「25年」や「4%」といった数字を前提にするべきでもありません。
FIREと早期リタイアの違い
早期のリタイアを目指す人にとって、「FIREと早期リタイアは同じものである」と考える事が出来ます。
しかし、「FIRE」という用語と、「早期リタイア」という用語の意味が全く同じという訳ではありません。
早期リタイアという用語が、単に「早期のリタイア(引退)」を意味するのに対し、FIREという用語は、その目指し方などの考え方までを含めて使われる事の多い用語であると言えます。
ですから、前述のようなFIREの「リタイアの目指し方」や「リタイア後の資金の取り崩し方」といった内容をある程度含めた表現を行いたい場合にのみ、「FIRE」という用語を使うようにする事をお勧めします。
FIREと早期リタイアの用語の使い分けで悩まれた場合には、基本的には早期リタイアという用語を使う事をお勧めします。
なお、当センターでは、FIREを目指す為の支援も行っております。FIREを目指す方で、相談する専門家がいらっしゃらない場合には、当センターが提供する支援の活用もご検討下さい。